貴船神社|水の神様を祀る縁結びのパワースポット濃密な神気に満ちた世界

貴船神社の御祭神

  • 本宮 高龗神(たかおかみのかみ)伊奘諾尊(いざなぎのみこと)の御子神、水を司る神。
  • 結社 磐長姫命(いわながひめのみこと)木花開耶姫命(このはなさくやひめ)の姉姫。
  • 奥宮 高龗神(たかおかみのかみ)船玉神(ふなだまのかみ)として信仰も厚い。

一説には闇龗神(くらおかみのかみ)、玉依姫命(たまよりひめのみこと)も祀られていると言われている。

貴船神社

京都の夏は夏は市街地よりもひんやりと過ごしやすいため、避暑地としても人気のエリアで、貴船川沿いに川床(かわどこ)が並ぶ風景は「京の夏の風物詩」にもなっています。

また冬は、京都特有の凍えるような寒さはありますが、冬の雪景色の美しさが心を和ませてくれます。

夏の暑い盛り友人と貴船神社に行ってきました。貴船神社へ向かう坂道。暑い暑いの連発でしたが貴船川の川床料理が目に止まりました。

床の下を勢いよく流れる清流が暑さを吹っ飛ばしてくれるような、涼しさを感じながら貴船神社に着きました。

貴船神社は、水の神様・高龗神(たかおかみのかみ)を祀り、昔から水を扱う商売の人々が多く訪れ、お参りをされています。

貴船神社本殿へ向かうには、参道の階段を上がって行くのですが、貴船神社といえば、やはりこの参道が有名です。

見る人すべてを惹きつけいつまでも続く階段を下から一直線に撮りたくて、人々が曳くのを待っていたりしてなかなかシャッターチャンスがありません。

貴船神社は、全国に約500社を数える貴船神社の総本宮。天武天皇の御代・白鳳6年(677)にはすでに御社殿が造り替えが行われたと伝えられているという、京都でも屈指の歴史を誇る神社です。

清流・貴船川は鴨川の源流にあたり、また御所の真北に鎮座することから、“京都の水源を守る神”として大切にされてきました。

貴船山と鞍馬山とに挟まれた谷合の地に鎮座する神社で創建年代は不詳とされていますが、社伝では反正天皇の時代の創建されています。

水神を祀る貴船神社は、古くから雨乞いや雨止めの神事が行われました。また、和泉式部が夫の愛を取り戻したなどの逸話が残る縁結びの神様でもあります。

貴船神社は上賀茂神社や下鴨神社などと同じく、古来より特に霊験が著しいとされる「名神大社」の内の一社で、本来的な意味でのパワースポットと言えます。

貴船神社のご利益としては「運氣隆昌、えんむすび、諸願成就」が有名です。

貴船神社 奥宮

本宮を出て結社の前を通り過ぎ北上すると、奥宮への最初の入口とも言える鳥居があります。

そこからさらに杜の参道を進み、神門をくぐって奥宮の境内へ。一歩足を踏み入れた途端、他の神社とは異なる独特の「気」を感じるかも知れません。

かつてはこの奥宮こそが本宮であり、その手前を流れる「思ひ川」で身を清めてお参りをしていたそうです。今も深い緑に包まれ、見るからに神秘的な雰囲気ですね。

貴船神社は貴船川に沿って社殿を構え、下流から上流に向けて、本宮・結社・奥宮の三社が鎮座しています。

別にどこから参りしてもいいそうですよ。

本宮 湧き出る神水で“水占みくじ”

本宮の本殿前の石垣から御神水が湧き出しており、その山水は弱アルカリ性でミネラルやカルシウム分がたっぷり含まれているといわれています。

手水舎の横にある石段を登ると、本宮に到着。まずはお参りを。 本宮の前には授与所があり、こちらで大人気なのが「水占みくじ」です!

石垣からわき出る御神水に占いの用紙を浮かべると、おみくじの内容が浮かび上がってくるというもので、水の神様を祀る神社らしいおみくじです。

何が書かれているかドキドキしながら浮かび上がてくる言葉に気を集中してしまいます。よく当たるそうです。

白と黒の神馬

白い馬は晴天を表し、黒い馬は雨雲を表すといいます。

水の神様として、古くから厚く信仰されている貴船神社では、雨が続けば白い馬を奉納して晴れを願い、日照りが続けば栗毛の馬を奉納して、雨が降るのを祈ったという歴史があります。

馬は古くから神聖な動物と考えられ、“神様の乗り物”だと見なされてきたのですが、馬を生きたまま神様に捧げるには決して安くありませんでした。

そこで徐々に、馬の絵を描いた板で代用するようになりました。
このことから、私たちが慣れ親しんでいる「絵馬」の起源は、『貴船神社』にあったと考えられています。

船形石|玉依姫命が乗ってきたとされている船

社伝によれば、神武天皇の母である玉依姫命が、黄色い船に乗って淀川・鴨川・貴船川を遡って当地に上陸し、水神を祭ったのに始まると伝えられています。

社名の由来は「黄船」によるもので、奥宮境内にある「御船型石」が、玉依姫命が乗ってきた船が小石に覆われたものと伝えられています。

玉依姫命が乗ってきた黄船を石で覆って隠したものとの伝承が残る「船形石(ふながたいし)」です。

この黄船は「貴船」の名前の由来のひとつともされていますが、黄船=黄色に光る船、つまりその正体は空を飛ぶ「天の鳥船」(神様が乗ったとされる空を飛ぶ船)という説、さらには宇宙人が乗って来たUFOであるといった説まであります。

貴船神社のホームページでは…

約1,600年前(第18代反正天皇の御代)初代神武天皇の皇母・玉依姫命が大阪湾に御出現になり、水の源を求めて黄色い船に乗り、淀川・鴨川をさかのぼり、その源流である貴船川の上流・現在の奥宮の地に至り、水神を祀り「黄船の宮」と称された。その黄色い船は人目に触れぬよう石で包まれたという。
引用:貴船神社ホームページ

玉依姫命が黄船に乗ってこの奥宮に至り、水神をお祀りになったのが、貴船神社の創建だと伝わっています

龍穴パワー貴船神社「奥宮:本殿」

ご本殿のお隣には「権地」と呼ばれる場所があります。

権地とは、社殿を建て替える時など、ご神体を移す場所ですが、貴船神社の奥宮は、この龍穴に入ることが許されないため、しばらく建て替えが行われていないそうです。

実は、この奥宮・本殿の真下には、巨大な「龍穴(りゅうけつ)」があるとされています。

貴船の龍穴は、大和(奈良県)の室生龍穴や備前(岡山県)のそれと共に
日本三大龍穴の一つに数えられ、特に神聖で強大な力を噴出するパワースポットだということです。

もちろん直接人の目で見ることは禁じられていて、そもそも地下にあるので見ることはできませんが、一切のパワーを逃がすまい、と言わんばかりにさらに盛り土までされています。

龍穴とは、陰陽道や古代道教、風水術における「繁栄する」とされている土地のことで大地の気が吹き上がる場所とされています。

周囲の山や水場などが作り出す精妙な地理的要因によって、大地を流れる「気」が局所的に強く噴き出す場所のことだそうです。

この龍穴のある場所は古より信仰の場となり霊験あらたかとされる神社やお寺が建立されていることがなぜか多いそうです。貴船神社はその代表とも言える一社なのです。

龍穴についての逸話があります。

本殿修理の際に大工が誤ってノミを龍穴に落とした所、一気に空が曇って辺りは暗くなり、急に突風が起こり、ノミが空中へ吹き上げられたという事です。

この龍穴の存在こそが、貴船神社の奥宮が強力なパワースポットであるといわれている一番の理由です。

貴船神社 丑の刻まいり

貴船神社の奥宮には、「丑の刻参り」にまつわる話があります。

ご存知の、「深夜1時~3時に呪いを念じながら藁人形を釘で木に打ち付ける」という呪詛。

宇治の橋姫という人が、貴船神社の奥宮に午前2時にお参りをし、男に呪いをかけたという伝説です。

貴船神社がその発祥の地といわれていて、ここ「奥宮」の境内を中心として貴船神社周辺の木には、今でも藁人形が打ち付けられているとか…。

そもそも貴船神社には、「丑の年の丑の月の丑の日に貴船大神が降臨した」という伝説があり、古来より「丑の年の丑の月の丑の日の丑の刻に祈願すると願いが叶う」とされたことに由来するのですが、神が国土豊潤のために降臨されたという古事によるものなのです。

どうやらそこから呪詛の為の儀式に転じていったと言われています。

丑の刻まいりは犯罪です

今の時代に貴船神社で丑の刻参りを行ってしまうと以下の法律に触れる恐れがあります。

  • 不法侵入罪(閉門後の神社に不法に侵入している為)
  • 器物破損罪(御神木に五寸釘を打つ為)
  • 脅迫罪(相手に呪いを行っていると告げた場合のみ適用)

貴船神社の中にある奥宮周辺の木には、現在も藁人形が打ち付けられているのですが、その中にはやけに新しい藁人形もあるようです。

法に触れてしまう事を知っているのに、ひっそりと人目を忍んで貴船神社に忍び込み、藁人形を打ち込む人が今もなおいるらしく、どれだけ撤去しても新しい藁人形がなくなる事がないそうです。

なんか鳥肌が立つほど怖い話ですね。

貴船神社には呪いの絵馬もある

貴船神社は絵馬の発祥の地なのですが、藁人形だけではなく、絵馬にも呪いの力があるそうです。

実際に参拝した方の人の中にも、貴船神社の絵馬の中で怖い内容のものがあった、と言っている人は沢山いるらしいとか。。。

藁人形の代わりに絵馬に呪いのような内容を書いて置いていくようです。

貴船神社の絵馬の効果が強い事は全国的に有名なので、家内円満や合格祈願等の一般的な絵馬の中に、そういったネガティブな、呪いの意味のある絵馬も沢山紛れているらしいです。

奥宮は他の場所とは桁違いのエネルギーがある

奥宮は丑の刻参りが行われていた場所でもある事から、他の場所とは全く違うエネルギーを放っています。

昼間でも異質な雰囲気をまとっている奥宮は、夜になると更にその闇のパワーが強力になるようです。霊感の強い方や不思議な力を感じやすい方は体調が優れなくなるほど恐ろしい空間ですから、近くに行く際には十分注意しましょう。

貴船神社のご利益:縁結び

中宮・結社のすぐ隣、樹齢1,000年と言われる「相生の大杉」があります。

同じ根から生えている2本の杉の大木がぴったりと寄り添っています。
樹齢1000年ともいわれ、その寄り添う姿が、仲睦まじい老夫婦の姿にたとえられ、相生(相老)の杉と親しまれています。

相生=相老を意味し、夫婦が仲良く、共に長生きをするという意味があり、夫婦和合のご利益があります。

連理の杉

奥宮の神門を入るとすぐ左山手、末社・日吉社の横に杉と楓が合体した珍しい木があります。
連理の杉と名づけられ、神木になっています。

連理とは、別々の根から生えた2本の木の枝がくっついてどちらがどの枝かよく分からなくなることで、このことから夫婦、男女の仲が親密なことにたとえられてきました。

天の磐船

貴船山で見つかったという、まさに船の形をした岩。自然石です。

貴船の山奥より産出し、平成8年3月京都市在住の作庭家・久保篤三氏より奉納されました。 船は古くは唯一の交通機関であり、人と人、文化と文化の交流(結ぶ)ということから、この貴船神社では「えんむすび信仰と深いつながりがある」とされています。 

「天の磐船」とは、日本書紀に出てくる天空を飛ぶ船。饒速日命(にぎはやひのみこと)が、降臨されるときに乗った乗り物のことです。

縁結びの神様・磐長姫命(いわながひめのみこと)

中宮・結社に祀られているのは磐長姫命(いわながひめのみこと)結社は、 “縁結びのパワースポット”貴船神社の、中心地ともいえる社です。

2018年9月の台風により社殿が被害を受けてしまいましたが、崇敬者や参詣者のご協力もあり、2019年5月復活! 周辺の木が倒れたため、ずいぶん明るくなりました。

この磐長姫命の伝承があります。

神武天皇の曾祖父にあたる瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)が木花開耶姫命を娶る際、木花開耶姫命と磐長姫命の父親は、姉妹ともに嫁ぐことを申し出ましたが、瓊瓊杵尊は醜い容姿の磐長姫命を実家に送り返えされたそうです。

磐長姫命は自分の縁は結ばれませんでしたが、「このような悲しみは私だけにし、人々に良縁を授けよう」とこの地に鎮座され人々の縁をつないでくれているそうです。

恨むのではなく、良縁を授けようという美しい心の神様なのでしょうか。平安時代にはすでに縁結びの神様として信仰されていたそうです。

夫との復縁を願った平安時代の女流歌人・和泉式部がお参りをしたのもこの社。傍らには、和泉式部の歌碑も立てられています。

貴船神社と和泉式部

ものおもへば 沢の蛍も わが身より あくがれいづる 魂(たま)かとぞみる

意味:恋しさに悩んでいたら、沢に飛ぶ蛍も私の体から抜け出した魂ではないかと見える)”という歌です。

それに対して貴船明神が返したと伝えられる短歌 

おく山に たぎりて落つる 滝つ瀬の 玉ちるばかり ものな思ひそ

意味:奥山にたぎり落ちる滝の水玉が飛び散るように、(魂が飛び散ってしまうほど)思い悩んではいけない)

和泉式部日記で有名な和泉式部は平安時代を代表する女流日記文学の作者であり、小倉百人一首にも歌が収められている歌人でもあります。

 

貴船神社 恋の道

貴船神社は縁結びの神様として知られ、夫である橘道貞の愛を取り戻そうと思い悩んだ和泉式部が貴船神社の奥宮に参拝したと伝えられています。和泉式部が通ったその奥宮までの道が恋の道となっています。

貴船神社 思い川

当時は奥宮が本社で、参拝者はこの谷川で手を洗い、口をすすぎ、身を清めてから参拝しました。 

この谷川は禊(もそぎ)の川、物忌(ものいみ)の川だったのです。 

和泉式部もここで身を清めて恋の成就を祈ったのしょう。

かつては御物忌川(おものいみがわ)と呼ばれ、参詣する際にこの川で禊して心身を清めたと思われる。和泉式部も参詣して恋を祈ったとことから、「おものいみがわ」が変じ、「おもひがわ」になったのではないかといわれている。
引用:貴船神社ホームページ

貴船神社のお守り

参拝後、遠く離れても神社のパワーを頂けるようにお守りやお札を頂いて帰りましょう。

これは結社(ゆいのやしろ)に結ぶ「結び文」をモチーフにした可愛いらしい形のお守りです。

良いご縁をいただきたい方は、貴船神社の「結び守」を身につけると良いでしょう。最強と言われる神社の縁結びのお守りは効果絶大です。

ロマンティックな結び文の形のお守りはピンクとみずいろの2種類。どちらも金色の小さな鈴が装飾されており、厄除けの効果も期待できますよ。

貴船神社へのアクセス

所在地 京都府京都市左京区鞍馬貴船町
電話番号 075-741-2016
主祭神 高龗神(たかおかみのかみ)
創建年 不詳
社格 名神大社・二十二社
公式HP http://kifunejinja.jp/index.html
アクセス 叡山電車「貴船口」駅下車、京都バスに乗り換え「貴船」バス停下車
地図